やずやを知る

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やずやを知る(やずやのこだわり)

vol.01 子育ては大変ですが、後から思えば一瞬です。

昭和23年、病身だった母の命を救うために、私は800グラムに満たない未熟児のまま生まれてきました。両の手のひらに乗るくらい小さかったと、私を育ててくれた祖父母によく聞かされたものです。当時、祖父68歳、祖母63歳。ふたりは小さな私を、交代で丹前の懐に入れてぬくめ、もらい乳やおも湯をスポイトで一滴ずつ口に含ませて育てたそうです。

私が小学校に通うようになると、帰宅を待ちわびた祖父母は、窓から双眼鏡で私の姿を探すのが日課でした。私が玄関を開けた途端、「お風呂がわいてるよ」「おやつができてるよ」と迎えてくれました。おやつのぼた餅も、フリルのついた洋服も、すべて祖母の手づくりでした。 私自身、当時の祖父母に近い年齢になり、時おり孫を預かってみてわかったのですが、ふたりの愛情の深さと、命がけで育ててくれたことへの感謝の念で胸がいっぱいになります。

その原体験のおかげでしょうか、子どもは手づくりのぬくもりの中で育てるのがあたり前と思っていました。今ほど物がなく、たとえあったとしても当時の私たち夫婦は貧乏で既製品とは無縁の生活。私は自分のセーターをほどいて、子どもの靴下やワンピースに編み直したり、知恵を絞って部屋のカーテンで洋服を縫い、娘に着せたこともあります。

今は専門店に行けば、安くて良質なベビー用品が簡単に手に入る時代です。離乳食も電子レンジでチンするだけの手軽な商品が揃っています。 でも私は、お母さんたちにぜひ手づくりの離乳食や産着で、子どもの命をはぐぐむ喜びを味わってほしいと思っています。上手にできなくても、少々見栄えが悪くても構わないのです。子どもの心や味覚に、母の思い出を刻むことが、いちばん大切なのですから。

子育て中は自分の時間がとりにくいのに、そのうえ手づくりをするのは大変ですよね。でも、長い人生からみれば子育ての期間はアッという間。「子どもは3歳までに一生分の親孝行をする」といわれるほど、愛らしいものです。妊娠から子育ていう尊い時間を、いとおしみながら過ごしてほしい。それが子育て先輩から、お母さんたちへ伝えたいことです。

ちょっと近況

60歳になる前は、この年齢が嫌だったのですが、
60歳になってみたら覚悟が決まり、ただ今ワクワク青春って感じです。

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