やずやを知る

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やずやを知る(やずやのこだわり)

vol.09 日本人が忘れかけた幸福を、ブータンで見つけた気がします。

2011年に来日されたブータン第五代国王、ワンチュク夫妻をおぼえている方も多いでしょう。若く、凛々(りり)しい国王が、福島の小学生たちに「みなさんは龍を見たことがありますか」と語りかけた話はとても感動的でした。

「私たちは“人格”という名の龍をもっています。龍はみんなの心の中にいて、“経験”を食べて成長します。だから歳を重ね、経験を積むほど、その龍は強くなるのです。みなさんも自分の龍を大きくすばらしく、大切に育ててください」

この龍の話は国王が創作したオリジナルだそうです。大震災という経験も、心の糧にして強く生きてほしいというメッセージは、被災地の子どもたちだけでなく、日本中に希望を与えたと思います。

また、第四代国王が生み出した国民総幸福(GHN)という考え方にも、共感をおぼえました。「やみくもな経済開発によって伝統的な文化や生活様式、自然環境を犠牲にすることがあってはいけない。家族を大切にし、思いやりと誠実さをもって人に接し、みんな仲良く暮らしましょう。一人ひとりが健康で、心地よい状態にあるように努めることが、いちばん大切なのですから」という考え方が、国の政策の柱となっているというのです。

昨年、私は思い切ってヒマラヤの小国ブータンを訪れました。標高二千〜四千メートルに位置する町から町へと、車と徒歩の旅です。物質的な豊かさに恵まれているとはいえませんが、人々の暮らしはお金では表せない幸福に満ちていると感じました。

ブータン国王が「まだ見ぬ子どもたちの世代に、どんな足跡を残すべきなのでしょうか」と講演されましたが、私たち日本のおとなこそ、真っ先にそれを考える必要があるのではと思います。

ちょっと近況

ブータンでは一晩中、犬の遠吠えがひどく眠れないほど。でもよく考えれば、犬は夜行性だから当たり前なのです。日本ではペット化された犬しか身近にいないため生態を忘れていました。

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